きっと空へいく

Civil Aviation College

Archive for 5月 29th, 2023

[68-Ⅲ🐝🐝🐝] B班 航空大学校探検ツアー 〜帯広編〜 その2

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みなさん、こんにちは‼︎

半日かけてシャツ・シーツ・タオルなどを大量に洗濯したのに、強風で竿ごと倒れて全滅した、阿部学生です。
今は窓全開&サーキュレーターで部屋干しをしています…

航空大学校探検ツアー 帯広編、学生寮エリアに入った所で終わっていましたね。

さて今回は残りのエリアを紹介していきたいと思います。

やってまいりました、ここは学生寮2階の調理室ですね。

今日も料理をしている人がいますね〜
何を作っているのでしょう?

料理は時間との勝負‼︎
ネギチャーハンとチキンサラダ
交通の要所にあるので、匂いにつられて訪問者がきます

話が脱線いたしました、それでは見学を続けていきましょう。

調理室の横にも道があり、そこを辿っていくと…

宮崎よりはこじんまりしています

浴室があります。2回期約50人しかいないので少し小さめですが、綺麗で使い勝手が良いです。

ちなみにお風呂のお湯はフライトのある日の前日は必ず入れることになっていて、翌日のフライトに向けて英気を養う場になっています。

この脇にはシャワー室もあり、フライトの準備があって、ゆっくりしている時間が無い‼︎という人はこっちを使っています。

4ブースありますが、体育終わりなどもここで汗を流すので時間帯によっては混む人気スポット

また洗濯室も併設されていて、緊張でビショビショになった制服などを洗濯します。

すごい台数あるので、足りなくなる心配はなし‼︎

さて調理室まで戻り、反対側へ向かうと長い廊下があり、ずら〜っと生活部屋が並んでいます。

夜になると節電のため消灯しており真っ暗なので、手探りで進んでいきます

部屋は2階が先輩の8-Ⅱさん、1階が私たち8-Ⅲと別れています。
部屋の中は後ほど同期の部屋に入ってみましょう。

そのまま廊下を進んでいくとあるのが、娯楽室です。

航空雑誌やTVゲーム機、冷蔵庫などあらゆるものが混在しています

この部屋ではみんなで週末にワイワイと飲み会やゲーム大会もしますが、主に使うのが毎晩の『エリア決め』です。

エリア決めとは、翌日のフライトで使うための訓練エリア(※1)や、touch and goの枠(※2)を各班に割り当てるイベントで、やりたい訓練科目をやるために、エリアやtouch and goの枠をかけて血みどろの闘いをします。

※1:空港周辺にはHK2-◯エリアという訓練エリアが複数設定されていて、姿勢や高度を頻繁に変化させる飛行をできる機体は安全のために、各エリア1機と決まっています。
どのエリアを取るかは、①エリアの上限・下限高度、②定期便の離着陸に合わせて待避が必要かどうか、③空港から近いかどうか、④地形や風向きによって揺れたり雲ができたりしそうか、⑤訓練に使える物標があるかどうか、など様々な事を考えています。

※2:touch and goとは離陸後、空港周辺を1周して着陸&離陸を繰り返すもので、約7〜8分に1回離着陸を行います。そのため多数の機体が飛ぶと空港周辺が大混雑してしまうため、同時にできるのは3機までと決まっています。

勝敗の付け方はただ一つ‼︎、3つのサイコロです。
3つのサイコロの出目の合計が1番多い班から好きな場所を選べます。
この闘いに負けると訓練が進まなかったり、訓練ができたとしてもすごい気流の悪い中で訓練することになります…

とまぁ、私たちの班はサイコロ運がないのでいい思い出はありませんが、この部屋の売りは他にあります‼︎

それは窓からの景色です。
私の部屋からも12秒で駆けつけられるので、飛行機好きの私は、珍しい機体が離着陸する際にダッシュで駆けつけます‼︎

窓の外には我が愛機:SR22が‼︎ 帯広は2色展開です
他にも離着陸したり、地上滑走する機体を見放題‼︎
この飛行機は国土交通省航空局の飛行検査機で航空保安施設などの検査をします
飛行検査センターには現在2種類の機体がいて、先日は娯楽室からもこの低さ‼︎

余談ですが、中の人は飛行検査が大好きで、宮崎座学時代もそうだったのですが、今も検査が始まるとフェンス沿いに駆けつけ、ワクワクしながら眺めています‼︎
我が航空大学校も国土交通省所管なので、このブログを読まれている関係者の皆さん、新型の検査機の見学実習をしたいです…笑

などと言いつつ、娯楽室から斜め下を見下ろすと食堂を一望できます。

入寮以来なぜ食堂を俯瞰できるのか不思議に思っていますが、答えは見つかりそうにないです…
大きな窓からは外がよく見えるので、ご飯を食べながら雲や風の様子を眺めます

食堂を出ると大きな交差点があり左右と前には部屋が広がっています。
また近くにはアイロンスペースもあり、制服のシャツのアイロンがけをします。

航大生は洗濯、自炊、アイロン、掃除なんでもできます ただ時間はありません…

お待たせいたしました‼︎ 8-Ⅲの部屋を覗いてみましょう‼︎

No.1の部屋に入ってみましょう 帯広監獄ですか…

帯広は宮崎とは異なり2人部屋になっています。
部屋割りは同期が決めたのですが、それがまた上手すぎて気が合いすぎる人でペアになっています。

この部屋の住人は週末になると、2人でウクレレを弾いています
写真を撮られていても気にせず勉強をする、フライト学生の鑑
ベッド付近はアレンジの魅せどころ‼︎

朝ドラと似ているでしょうか?
簡易的ですが机があるエリアとベッドがあるエリアが仕切られています。



私達、ハチサンのB部隊:12人がこの通称 “カンゴク” と呼ばれる小さい陸の孤島に辿り着いてから何日が過ぎただろうか?
狭いエリアながらも、私達は、『食事を作り、洗濯をし、明日も朝が来ることを信じてベットへ入る』というルーティーンを確立し、平穏な生活を手に入れつつあった。
夜には薄暗い中でも月明かりを頼りに水場にも行けるし、もうどこにいたとしても迷うことはなかった。
12人誰もが、この孤島のあらゆることを知り尽くしたと信じてやまなかったし、1人たりともそれに異を唱える者はいなかった。
また先発隊のA部隊やハチニーサンの各部隊も同じことを考えていた…

あの時までは……


島をのんびりと歩いていた時のことだった、背後から驚きとも歓声とも異なる叫び声が聞こえた。
声のした方に駆け寄ってみると、同じ隊のタイセイが腰を抜かした状態で奥を指さしている。
叫び声は島中に聞こえたのだろう、各自思い思いのことをしていたはずだが、まもなくパラパラと集まってきた。
『これを見てくれ…、謎の扉があるぞ…』タイセイは震える声で言った。
恐る恐る、指をさした方をみると、晴れているはずなのにそこだけ妙に薄暗く、奥には大きな扉があった。取っ手には太い文字で “徴罰房”と書かれた札がぶら下がっている。

『昨日まで、ここに扉なんてあったか?』『懲罰房ってどういうことだ?』『何か知ってるやつ、いるか?』
みな口々に疑問文を並べるのだが、誰一人この扉について知っている者はいなかった。
好奇心旺盛なタクヤが扉に近づいて覗いてみたが、中の様子を窺い知ることはできなかった…
『とりあえず作戦を立てよう』
リーダーシップのあるリョウマの一言で皆、我に返り後ろ髪を引かれながらも撤退した。

人間とは実に愚かな生き物だ。一度気になってしまうと、もうそのことしか考えることができない…
“知らぬが仏” とはよく言ったものだ。


翌日は朝から緊急の会合が開かれた。
誰が中を探るのかという内容であったが、誰も手を挙げない。
となると流れは既に決まっている、渉外担当の私の流れだ。
元々部隊で広報活動をやっていた事もあり、渉外も任されている。
『頼んだで‼︎』
調子がいいソウタの一言で確定だ。

難航すると思われていた、扉の奥とのやりとりであったが、昔からやっていたブログ “きっと空へいく” を通して意外にもすんなり話がついた。
どうやら、あの扉の奥にも別の世界が広がっていて、部屋があるらしい。
ただ我々のような男子は、あの扉を越えて1歩たりとも入ることはできない、それがこのカンゴクでの掟のようだ。

そのことを部隊の定例会で話すと、物好きなヒロシはかなりガッカリしていた。部隊の中で一番、中に入りたそうにしていたもんな…

『ガッガリするのはまだ早いぞ。私がそれで諦めると思うか〜?』
私はニヤリとしながら、隠し持っていた写真を並べた。
実は中の写真を入手していたのだった。

扉の向こうの世界は、洗濯機・乾燥機・洗面所・お風呂が1ヶ所にまとまっていて、こっちの世界よりも綺麗で快適そうだ…
我々は月明かりだけで水場に行っていたというのに…
“知らぬが仏” とはよく言ったものだ。



このように女子寮もあり、圧倒的に充実した設備で男女問わず過ごしやすい環境が整えられています。
紹介に協力して頂いた8-Ⅱさん、そして先輩方ありがとうございます。

では外に出てみましょう。

本庁舎の奥には元グラウンドの広い芝生があります

テニスコートなどもあり、今はスポーツはできませんがグラウンドの跡地もあります。

今は使えないグラウンドをなんで紹介するの?とお思いでしょう。
その理由はたった1つ、飛行機がすごく良く見えるからです‼︎

帯広をベースにする機体や外来機など主に小型機がここのエプロンを使用します

割と頻繁に駐機機体が変わるので、何度行っても新しい機体が見られ、個人的No.1癒しスポットです。

また奥には空港のエプロンも見られるので、旅客機もバッチリです‼︎

飛行検査機とAIR DO 航大生のみ見られる特別な景色

最後に紹介したいのが、グラウンドのそば、体育館の横にある農場、通称;航大農場です。

保健の先生、総務課の方々も植えられています

しばしば先輩方のブログにも登場したこの農場、私たちの中からも自給自足生活を目指し始めた勇者が‼︎

まずは北海道といえばのジャガイモ‼︎ 耕作して土地を開発し、もっと色々な作物を作るそう
私の部屋からも彼らの努力が見えます‼︎

これから帯広も本格的な夏を迎えます。航大農場、定期的に見ていきましょう‼︎

2回に渡ってお届けした、航空大学校見学ツアー 帯広編 はいかがだったでしょうか?
寮での生活は朝ドラの中くらいでしか分からなかったと思うので、今後受験や入校をされる読者の参考になれば幸いです。
とにかく言えることはただ一つ、『住めば都』です。

次は何をお届けしようかなと思う今日この頃、この辺で失礼いたします。

訓練終わりの1枚 黄砂と雲でギリギリの視程と雲底だった。

私たちはまだまだパイロットへの道のりを歩み出したばかりだ。
フライトの全てが新鮮だし、教官はいとも簡単に操縦しているように見えるのに、自分でやってみると、やろうと思っているのに、面白いくらい何にもできない。
私たちは無力だ。

飛行機の上には分厚いどんよりとした雲が広がり、狭い狭い範囲を飛ぶだけでやっと…
雲の上には本当に青空が広がっているのだろうか? 私たちは雲を抜け、その青空とやらにたどり着けるのだろうか?
今の自分にはその上の未来が見えてこない…
でも僕らはその未来を信じて進み続けるしか道はない。決してくよくよして歩みを止めてはならないのだ。
分厚い雲にもいつか隙間ができる、明日の自分は今日の自分よりもきっと進んでいる、そう信じて今に全力を尽くそう。

Written by 68III

5月 29th, 2023 at 1:08 pm