きっと空へいく

Civil Aviation College

Archive for 12月 1st, 2023

【67-Ⅲ】宮崎課程修了

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おはこんばんちは。
67-Ⅲです。

私たちは10月に宮崎フライト課程を終え、今は仙台にいます。

宮崎修了のブログ書けとのことなので、振り返りたくもない宮崎課程を簡単に振り返りたいと思います。

振り返れば私たちの宮崎フライト課程の始まりは悲しい別れからのスタートでした。
それでも、残された私たちはここに来れなかった仲間の分まで頑張るしか無いと皆で切り替え、それぞれ己と向き合い続けた宮崎課程でした。



宮崎課程の92時間はとても長く、終わりの無い課程の様に感じました。最終審査の講評で合格と言われたその瞬間まで、宮崎課程を終えている自分を想像できていませんでした。

フライトでは毎日出来ないことが沢山出てきて、時には出来ていたことも出来なくなり、宮崎フライト課程は試行錯誤の連続でした。
飛ばないと卒業出来ないのは分かっているのですが、飛びたくないメンタルが先行し過ぎてました。
前日の夜のエリア会議では、キャンセルを願ってやまない人達は、TAFとwindyを見て「明日キャンセルだよね!?」とキャンセルにできそうな理由を探していました。
全く準備せずに次の日を迎え全然行ける天気の中を苦し紛れのブリーフィングでなんとかキャンセルを勝ち取る班、ギリギリVMCの中無理矢理行かされる班、LINE一本でキャンセルになる班など様々でした。



そんな宮崎課程も、楽しいことも少しばかりありました。
2生地ソロは中々天気に恵まれず、激しぶウェザーの中、地を這って帰ってきた者多数でしたが、同期と追いかけっこしながら長崎、鹿児島を1人で飛べたことはいい思い出です。

540キロ航法は四国や中国地方の空港など普段行けない空港にみんな行けて楽しそうでしたが、僕はこれまた激しぶウェザーで熊本と福江空港に行き、福江空港では滑走路が見つからずunintentionally forced landing をしかけて苦い思い出が残っています。



そんなこんなで技量は全然上がっていることを実感せずに時間を消費し最終審査がやってきました。
審査の期間は、「お前ら下手くそだしこれくらい天気良くないと受からんやろ」と空から同期が見守ってくれてるが如く、とんでもなく天気がいい日が続いてました。
夏の積乱雲で雲よけばっかりしてきましたが、審査の時は雲ひとつない日もありました。

1番最初の受審者がリチェックになるという、とんでもなく幸先の悪いスタートでしたが、回期としては1ヶ月以内に全員終わり、宮崎課程を修了することができました。



振り返っても大変だった宮崎課程を乗り越えられたのは、同期、教官、航大に関わる全ての皆さんのおかげです。

なんか嫌な記憶が次々と蘇ってきてるのでここら辺で失礼します。

仙台でもみんなで航大&無職を卒業できる様に頑張ります。


67-Ⅲ一同

Written by 学生

12月 1st, 2023 at 10:29 pm

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【67-Ⅲ】二生地&540km

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先日(2ヶ月前)、二生地ソロ、540km航法に行ってきました。

天気が悪くて中々いけない二生地
FEW010と-SHRAのせいで何度頓挫したことでしょうか。

帯広課程の1stソロでは緊張半分、ワクワク半分という学生が多かったと思いますが、あの時とは違います。人生最後のソロを思う存分楽しんできました。





特に普段訓練で愛溢れる指導をうけている学生の開放感は計り知れないことでしょう。


540km航法は四国や広島、屋久島など普段行けない空港に行ってきました。




ターミナルに寄れるのですが、時間はわずか。一瞬でお土産を決める意思決定力が試されます。

540と二生地を終えたらもう審査は目前。回期一同、事業用操縦士の資格修得を目指して頑張りました。詳しくは次回に!

67-Ⅲ 一同

Written by 学生

12月 1st, 2023 at 10:27 pm

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[68-Ⅲ🐝🐝🐝]空から帯広を見てみよう

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『もしもし、そこのあなた。地面を歩く生活に疲れておらんか? たまにはわしらと一緒に、空から帯広を眺めてみるというのはどうじゃろう?』

こんにちは、68-Ⅲの阿部学生です。
読者の中には、このフレーズをご存知の方もいるかと思います。

これは某テレビ局で2008年〜2018年まで放送されていた、雲の妖精と一緒に空から日本中の自然や街並みを眺めながら、様々な発見をしたりする番組の冒頭のフレーズです。
私はこの番組が大好きで全話のダビングを持っています(笑)。
この番組がきっかけで空を飛んでいると言っても過言ではありません。

番組内の映像はヘリコプターからでしたが、今回は訓練の半年間で撮り溜めた画像の中から、1つのフライトを再現してみたいと思います。
写真を撮っておくことはとても大切で、航跡アプリと照らし合わせながら、計画とどのくらいズレていたのかや、著名な地点物標の実際の見え方を覚えるのに使います。
後席でも地図と睨めっこしながら乗ることで、他の班員のフライトタイムも有効活用しています。

これから載せる写真は、後席で外部監視をしつつ学習の用に撮ったもので、写真によって機体の登録記号もまちまちであること、内容は一部省略をしていることを予めご了承ください。
それでも莫大な情報量ですので心してお読みください。

では一緒にフライトをしましょう‼︎

それでは早速、空から…と行きたいところですが、空を飛ぶには知識が必要ですね。
簡単に帯広の空や飛行機についてご紹介しましょう。

私たちが訓練する帯広空港の周辺空域にはいくつかの訓練空域があります。それぞれ手頃な大きさに区切られており、失速のような高度や速度・姿勢を大きく変えるフライト(エアワーク)をする時には、訓練空域を予約して1エリア1機が使います。大きさとしては直線飛行で3分くらい飛べるくらいでしょうか? 高さは場所によって異なりますが、6000ft(2000m)程度となっています。
今回は激しい飛行はしない予定なので、エアワークの邪魔にならないように気をつけながら訓練空域を1周していきましょう。

今回皆様が乗る航空機は単発プロペラ機のSR22となっており、最大で4+1名乗れるようになっています。なお5人乗ると空中交代ができないので教官1名と学生3名の計4名で乗っています。

今回のような空域を1周するフライトは野外航法(ナビゲーション)訓練と呼ばれ、高度は3000〜5500ft(1000m〜1700m)程を150kt(280km/h)程で飛行します。
東京スカイツリーの2〜3倍くらいの高度を東海道新幹線くらいの速度で飛んでいる感じです。
私たちは地図と地上の物標を見ながら飛行する有視界飛行という方法で飛行するので、3000ft以外の高度は1000ft+500ftの高度(3500/4500…)を西向きと東向きで使い分けて飛行しています。詳しくは調べてみてくださいね♪

とまぁ、話し出すと半年かかるのでさっそく飛行機へ向かいましょう‼︎

飛行機がいっぱい並んでいますね〜
私たちは飛行機に向かったら、内外の点検を行います。
搭載物がきちんとあるか?、機体構造や機構に問題はないか?などを1つ1つチェックすることが法律で義務付けられています。(機体に向かう前には気象や重量バランス、航空情報なども確認しています)

それが終わると搭乗して、朝ドラでやっていたように『Circuit breakers-all in』『Seat and seat back-adjust』と100項目以上の点検をしながらエンジンをかけます。

エンジンをかけ終わると、各方面に無線通信を行います。実際はイニシャルコンタクトと呼ばれる、「こんにちは私の名前は〇〇です」というような通信設定を行いますが、飛ぶ前に日が暮れてしまうので省略します。

札幌ACCに訓練空域通過の連絡
『JA010C, on the ground of obihiro airport, we will cross HK2-All area』

学校のカンパニー周波数への出発報告
『10C ナビゲーション訓練のためランプアウトします』

帯広管制塔への移動の許可
『JA010C, at cac, request taxi, northwest bound』
『JA010C, taxi to holding point runway35, QNH2992』

地上滑走の許可が出たら滑走路へ向かいます。
滑走路に着いたらいざ空へ‼︎

と言いたいところですが、飛行機そんな甘くありません…
滑走路脇でエンジンテストを行います。自衛隊の戦闘機でもラストチャンスのアーミングエリアとか言いますよね(中の人は電車と戦闘機も好きです)

私たちが離陸準備の間 他の航空機が横を通っていきます 手を振ると振り返してくれます
後続機も来ましたね〜 前の機体が終わらないと後続機は上がれません 焦らず、でも巻きで
最大4機まで並べます 5番目は次の誘導路へ

準備が完了したら、帯広の管制へ報告し、離陸許可をもらいます。

『JA010C, at T-4 ready, request left turn departure』
『JA010C, left turn approved, runway35 cleared for takeoff』

滑走路で待てという指示も出ますが、その時に何機も並んで待つこともあります

では空の旅へと向かいましょう‼︎
実際はここまでブリーフィング開始から80分、飛行機に乗ってから20分ほど経過しています。

『Max power』『60kt、73kt rotation』『Positive climb, gear up』
飛んでからもひたすらやることは続いていきます。なお練習のため実際は動きませんが、ギアスイッチがあります。

左旋回をリクエストしたので、そろそろ旋回をしましょう‼︎
Runway35で左なので西方向ですね。

旋回をすると滑走路や空港が見えます

「帯広空港の横空港のそばにお城が⁈ 」
ズームをしてみましょう。

「豪華な建物ですね〜」「帯広には大金持ちが住んでるのですか⁇」
番組好きの私にはあの軽快な音楽が聴こえてきました…。CMが入りそうだ…

実はグリュック王国というテーマパークの跡地なんです。1989年〜2007年まで営業していた10万平方mを誇る施設で、町おこしのためにドイツをイメージした施設だったようです。現在でも建物や風車、観覧車などが残っています。
周辺は林なので地上からはあまり見えませんが、上空からだとよく見えますね‼︎
このように上空からの見え方はマップと違うので、そういう点に留意しながら地点評定をします。

それでは戻りましょう。
3000ftで帯広空港の管制圏を抜けるので、帯広管制塔へLeaveを報告し、上空を管轄している札幌ACCの周波数をモニターしましょう。

『JA010C, leaving control zone』
『JA010C, frequency change approved』

前方には小高い山、嵐山が見えてきました。ここには渡月橋はありません。

嵐山は遠くからでもよく見えるので、ナビゲーション訓練では発動点に使われます。
発動というのは航法の出発の基準となる点のことで、ここからの方位と時間を求めることで、次の場所へと正しく向かえるのです。
私たちは訓練のためにカンパニー周波数にポジションレポートというのを行います。

『JA010C, over arashiyama 10, maintain 3500, estimate shikaoi 18』

この際には訓練空域の使用機がいないか、周辺に他の航空機がいないかも確認します。

また発動点を過ぎたら測風というのを行います。
方位と時間というのはあくまでフライト前に風の予想を用いて計算した値です。実際の上空の風は飛んでみないとわかりません。実際に予想の方位で飛んでみて、地上の物標と見比べながら、どのくらい流されたから方位を何度変更しよう、という風に飛んでいきます。

この測風、言うが易し、行うが難しなんです…
測風ではきちんと測るために方位と高度を一定にして飛行します。これが難しい。この間も様々な報告をしたり、時間を記入したり、機器を確認したりします。もし3°ズラして1分飛行すると240mもズレてしまうんです‼︎
そのため意識はFly First。集中です。
さらには、測風で出た結果を元に新しい方位を計算するのが難しい‼︎ 所詮3ケタ±2ケタ程度の計算ですよ。それが操縦と上空の気圧の中では難しいんです… 間違えると明後日の方向に飛んでいきます…

帯広の西には日高山脈が、北には大雪山系の山々があります。比較的山の近くを飛ぶので、計器に集中してはいけません。外部監視です。といっても知らないうちに集中してしまいます。だから後席はきちんと外を見ておく必要があります。”後席も クルーの一員 アサーション”

『左前10時方向、トラフィック‼︎ 航大機、ほぼ同高度』

前席では見えないのに、後席ではよく見えるんです

訓練機で輻輳しているので、近い時は1000ft未満の高度差ですれ違う時があります。TAWSというシステムで計器でも分かるのですが、結局は他機の管制と眼です。あとはカンパニー周波数を使用して、自分の位置と高度、インテンションを共有します。

しばらくすると帯広の市内が見えてきました。
空港周辺と違って建物が多いですね〜 住宅密集地域の周辺は避けましょう。

「くもじい‼︎、飛び立ってから随分経つのに市内にも滑走路があります‼︎、空港の周りにあんなに建物ありましたっけ⁇」

「くもみ、それは、帯広駐屯地のある十勝飛行場じゃよ」
「ピコパッ‼︎」
「帯広駐屯地とは陸上自衛隊の駐屯地で、ヘリコプター隊が所属しています。」
対戦車ヘリコプター、多目的ヘリコプター、観測ヘリが所属していて、よくフライトをしているのが見えます。
プロなオタクじゃないと迷彩塗装のヘリを見つけ出すのは至難の技です。
ちなみに1972年〜1981年には航空大学校もここにありました。

「また、あそこにも滑走路があります‼︎ 帯広にはいくつ滑走路があるんですか⁈」

「あれは自動車メーカーのテストコースじゃ」
帯広は広い土地があること、他と比べて気候が安定していること、山岳や平野など様々なシチュエーションがあることなどから各社のテストコースがあります。
世に出ていない試験車が走っているのをよく目にしますが、上空はあまり低高度で飛行しないようにしています。

そろそろエリアの北西の端なので東に向かいましょう。
上空からはあまり名所が無いので、地上から1枚。

然別湖の湖底線路 ジブリの世界のようで人気らしいですが、上空からは見えません

では足を延ばして、空域の北東端を見てみましょう。

ここは陸別町です。ここまで訓練空域なのですが、空港からかなり遠いこと、山が多く自由に飛びづらいことから1回しか行ったことがありません。

地上には、りくべつ鉄道という素晴らしい廃線の保存車両施設があって、動態保存車がすごくあって、片道6km近くの距離を体験乗車できたり、体験運転ができたり… 危ない危ない、航大ブログでした…

週末には遊びに行ったりしましたねぇ〜

少し行きすぎました。帯広空港が恋しいです… 空港に寄って南側にも行ってみましょう。

大体の景色はこのような風に見えます。読者のあなたはどういう所に注目しますか?

まずは持っている地図にある情報との共通点を探します。川や太い道路は載っていますね‼︎ あと橋なども。ソーラーパネルや山の稜線はあまり分からないので、気をつけます。あと建物も細かくは分からないので、街の大まかな形や川とかとの相対位置から探します。
街を見つけて、分かってもすぐは飛びつかない、先入観を持たないこと‼︎ 複数の根拠から疑いの目を持って考えます。ちなみにこれは橋の位置と川の分岐、運動場から本別だとわかります。

ではここはどこでしょう? 大きな鉄塔のようなものがありますね〜
垂直方向に高い建物はあまり地図に載らないんですよね… そいう時こそ川の分岐や道路の形…
答えは…載せません(笑) (本別から帯広空港に戻っていますが、寄り道してますよ…)

市内を北東方向(幕別付近)から見たところ

「くもじい、あんな所に巨大な時計が‼︎、きっと巨人や宇宙人向けなんですね‼︎」
「くもみ、巨人は東京にいるはずなんだが…」

「あぁ〜あれか‼︎ あれは十勝川温泉の花時計ハナックじゃよ」
北海道といえば泥炭由来のモール温泉が有名だが、十勝川温泉は代表するモール泉でその中心にあるのがこの花時計で直径18m、針だけで10m以上あります。それでもこの上空からだと時刻は分かりません…

上空からだと鉄道も見れます。中の人は特急の時刻が頭に入っていて、大体の当たりをつけて探していたとかいないとか…
線路は地図には載っていますが、列車が走っていないと木に隠れてほぼ見えません…

空港が見えてきました‼︎
おやおや一際大きい機体がファイナルアプローチ中ですね。

旅客機の着陸を上空から見えるのも、フライト訓練している特典ですね。基本的には訓練機よりも旅客機を優先した滑走路運用がされていて、訓練機は各上空のポイントで進路を譲ったり、着陸を待ったりしています。

皆さん、この写真からの情報それだけじゃないですよ‼︎ 航空大学校やグリュック王国と旅客機の着陸方向を見てください。
最初に離陸した時と逆方向になっているんです。滑走路の運用がRunway35からRunway17に変更になっています。
思い込みから逆の滑走路への進入のミスもあります。このように様々な所にアンテナを張ってフライトをしています。

帯広は内陸ですが南に向かうと海もあります。

港が見えてきました。
山側だと山を目標にしてまっすぐ飛べますが、海には目標がありません…
その場合地上を見たり、遠くの雲を見たりします。

では海岸沿いに西へ向かって行きましょう‼︎

「大きいサイコロが砂浜に埋まってます‼︎」

「あれは、トーチカと呼ばれる防御陣地じゃよ」
中に篭ってそこから攻撃をしてたようです。上空から見ると小さく見えますが、行ってみると巨大です。

「あれ⁈ また滑走路があるんですけど… 次はちゃんと滑走路です‼︎」

「ほんとじゃな〜 これは大樹航空公園じゃよ、ホリエモンロケットなどがココから打ち上げられているんじゃよ」
他にもJAXAのヘリの試験や防衛省航空装備研究所の赤外線センサーの無人航空機、火星探査用航空機の研究のための重気球の放球も行われています(こっちも趣味です…)。

滑走路自体は現在1000mで着陸自体は可能ですが、安全マージンを考えると厳しいです。しかし1300mへ延長の計画があるようです。

さて見えてきたのは広尾の港。

日高山脈の南端にあり、これより奥に行くと山脈なので、これより東で訓練を行なっています。
またこの付近は旅客機の進入経路になっているので、旅客機が近づく前に退避というものを行い、衝突回避をします。

ではそろそろ帯広空港に帰りましょう。

空港に帰る際には5つのゲートがあり、そこから滑走路までの経路が決められています。
そのゲート地点では2000ft(600m)、120kt(220km/h)で進入するのでそこに合うように計画しながら向かいます。

『JA010C, over sarabetsu 2000, request landing, full stop』

この後は場周経路に入りますが、そこでは各辺において通過したことを管制に報告します。

『JA010C, turning base』『JA010C, continue approach』

「あんな所に駅とオレンジの列車が‼︎、帯広空港までアクセス楽チンですね」
「帯広空港にはバスでしか行けないハズなんだが…」

「あれは幸福駅じゃよ。愛国から幸福までという切符が流行ったのを親御さんに聞いてみるんじゃ」
国鉄広尾線の駅で1987年に廃線になった中、今も2両の気動車と1両の除雪車が残されていて、空港に着いてまず行く観光地です。

と、まぁ観光している間も、パイロットはひたすらタスクをこなしています。critical eleven minutesというのがパイロット界ではあり、離陸の3分、着陸の8分は事故が起こりやすいフェーズで、特に注意力が求められます。ずっと操縦してて腕と脚が痛いなんて言ってられません…

『JA010C, runway17 cleared to land』

着陸許可が出ました。滑走路の延長線上にいます。ここからはパス・センター・エアスピードを必死に合わせます。少しでも不安を感じたり、スタビライズド(機体の安定)ができなかったら躊躇わずにゴーアラウンドを行います。

旅客機を待たせてしまう時もあります

『JA010C, go around』

航大の隣には空港のターミナルもあります。

ゴーアラウンドをすると場周をもう1周回って着陸します。

『JA010C, runway17 cleared to land』
『JA010C, taxi to CAC, close my flight plan,ありがとうございました』

着陸後は誘導路を通って駐機場に戻ります。その間にもパイロットはやることが色々あります。
駐機後はエンジンを切り、最後に外部点検をして異常がないかを確認します。
これで1フライトが終わりです。1フライトでやることは大体300個くらいは裕にあります。これを覚えて行うのがパイロットです。

私たちが降りた後は整備士さんが次のフライトに向けての整備をしてくれます 感謝です

この後デブリーフィングやフライトログの記入をしたら全て終了です。今日の反省を元に明日はより良いフライトにします。

いかがだったでしょうか? 読み切りお疲れさまでした。
どのような大地を飛んでいるのか?どんなことに気をつけているのか?など少しでも伝われば幸いです。

これから帯広でフライトをする後輩の皆さん。最初はやることが多くて不安になったり、心が折れそうになるかもしれません。
でも50時間も飛べばある程度はできるようになります‼︎ 1人でも迷子にならずに空港に帰ってこれます‼︎
自転車の次に動かした乗り物が飛行機という、中の人でも帯広修了できました。

日高山脈は偉大だよなぁ〜 by私の担当教官

Written by 68III

12月 1st, 2023 at 11:43 am